印刷媒体の雑誌の未来はあるか

雑誌の業界団体の調査によると、日本の雑誌(週刊誌、月刊誌、季刊誌)の発行部数は年々低下を続け、印刷媒体としての未来は「かなり暗いと言わざるを得ない」という。情報収集スツールとしての媒体力は、いまやネットの一人勝ち状態だ。かつての王様だったテレビを始め、新聞やラジオ、雑誌など既存のメディアは軒並みその占有率を落とし、中でもラジオと雑誌は減少率が加速度を増しているようだ。果たして雑誌に未来はないのか。


そんな中で、次のようなニュースが発信された。男性ファッション誌の売り上げが前年比でプラスになったというのだ。各種報道によると、各世代とも服飾関係の参考に「手にとって見られる雑誌」を選択する購読者が増え、その結果売り上げが伸びたと分析している。印刷媒体の特長がプラスに転じたケースだろう。携帯性と一覧性に優れ、保管にも適した印刷物。その媒体力が今回、男性ファッション誌によってより分かりやすく具現化されたわけだ。印刷をするという行為は人的資本も不可欠なもので、固定費削減の現在の潮流においては、いささかネガティブな側面が否めない。一方で、印刷工場を筆頭にした物的資本は日本にはかなりを蓄積を見ており、その転用さえ進めば違う発展と進化も可能と指摘されている。たとえば日本語の雑誌だけでなく、中国語など外国語の印刷物を製作すること。


日本の技術力に基づけば、これら業態への変化はさほど難しいものではないはずだ。既存の施設を有効利用することにより、需要を海外に求めて新たなマーケットを開拓していく。今回の男性ファッション誌のようなケースは、写真プリント技術の極めて高い日本だからこその話題だろう。その技術力のいかに利用できるかが、各企業の経営陣には求められる。反面、速報的ニュース媒体としての位置づけとなる週刊誌などは、やはり部数の漸減傾向から抜け出せないでいる。この分野はインターネットと正面からぶつかるためで、ユーザーの立場からは「より速く」「より安く」の条件に適うネットニュースの方に流れるのは必然と言える。新聞も含めた活字メディアが今後、生き残り策をどう描いていくか。日本人にとっていまでも親和性の高い媒体だけに、その未来予想図には注目が集まる。男性ファッション誌の復興を一時的なものとせず、そこから教訓を掬い上げながら、次の発展と進化の道を探し続けていくこと。週刊誌にも月刊誌にも季刊誌にも、まさにそこが問われるところだ。